30秒でわかる概要
競馬AIで「当たりやすい馬」が分かっても、それだけで買う価値があるとは限りません。
**問題は、何を基準に「買う価値」を比べるかで評価が変わることです。**
2021〜2024年の学習に使っていないデータで2ルートを比較すると、順位づけでは二段階方式が強く、値そのものの当たり方では直接期待収益方式が良いという逆転が確認できました。
だから、現時点では勝者を決めません。
なぜこの比較が必要なのか
「順位づけが上手い方法」と「予測値そのものが実際の戻りに近い方法」が同じとは限りません。
どちらを見るかを決めずに一つの数字だけで選ぶと、都合の良い評価軸だけを採用する危険があります。
何が変わったのか
EXP29では比較するルートを固定しました。
今回のEXP30では、そのうち実行可能な2ルートを同じOOF条件で実際に並べ、**評価軸によって優劣が逆転すること**まで確認できました。
現在地
対象は2021〜2024年の187,806行・13,782レースです。
比較した2ルートは、的中時払戻を二段階で扱う方法と、期待収益を直接予測する方法です。
どちらもOOF検証を完了しています。
2021〜2024年の187,806行・13,782レースを対象にOOF比較を行いました。
的中時払戻を二段階で扱う方法はOOF検証を完了しました。
期待収益を直接予測する方法もOOF検証を完了しました。
OOF(Out-of-Fold、学習に使っていないデータでの検証)とは、AIが学習に使っていないデータに対して予測させ、その結果で方法を比べる検証方法です。簡単に言うと、「答えを見て覚えたデータで自己採点する」のを避けるための仕組みです。
検証結果
二段階方式の全体順位相関は約0.217、予測帯ごとの平均的なずれは約0.318でした。
直接期待収益方式の全体順位相関は約0.070、予測帯ごとの平均的なずれは約0.040でした。
つまり、**順位づけの強さでは二段階方式、値そのものの当たり方では直接期待収益方式が良い**という結果です。
具体例で見ると
「買う候補を上から並べる力」を見るなら、約0.217と約0.070の差は二段階方式に有利です。
「予測した値が実際の戻りにどれだけ近いか」を見るなら、約0.318と約0.040の差は直接期待収益方式に有利です。
一つの指標だけでは、反対の結論を選びかねません。
この結果が読者にとって何を意味するか
今回分かったのは、「一番良く見える数字」をそのまま採用してはいけないということです。
予測方法を選ぶ前に、何を良さとするか、そしてその良さが別の条件でも維持されるかを確認する必要があります。
市場予測はなぜ未実行なのか
市場予測には最終オッズの学習用データが必要です。
しかし、その数字を正式な学習ラベルとして使える根拠がまだ確定していません。
そのため、根拠不足のまま市場予測を追加していません。
未達・対象外
- 最終勝者は未選定
- 購入しきい値は未決定
- 利益率100%超は未確認
- 市場に対する優位性は未確認
- 市場予測ルートは未実行
- 2025年・2026年の結果は未使用
正式な検証記録
- 2021〜2024年の187,806行・13,782レースを対象にOOF比較を行いました。
- 的中時払戻を二段階で扱う方法はOOF検証を完了しました。
- 期待収益を直接予測する方法もOOF検証を完了しました。
- 二段階方式の全体順位相関は約0.217、予測帯ごとの平均的なずれは約0.318でした。
- 直接期待収益方式の全体順位相関は約0.070、予測帯ごとの平均的なずれは約0.040でした。
- 市場予測ルートはEXP29の最終オッズ根拠不足により実行していません。
- 最終勝者の選定はEXP30では禁止されています。
- 購入しきい値の選定やしきい値探索は行っていません。
- 2025年・2026年の結果は使っていません。
- 比較対象:2ルート
- 対象期間:2021〜2024年
- 対象規模:187,806行・13,782レース
- 二段階方式の順位相関:約0.217
- 二段階方式の平均的なずれ:約0.318
- 直接期待収益方式の順位相関:約0.070
- 直接期待収益方式の平均的なずれ:約0.040
- 市場予測:未実行
- 最終勝者:未選定
次に確かめること
次はEXP31で、今回見えた評価の逆転が、本当に経済信号の差なのか、それともデータの並びや不確実性の影響なのかを監査します。
数字が良く見えても、理由が分からないまま採用しません。